私は大学で「心理学」を勉強していますが、「心理学」と聞くと、みなさんはどういったイメージをお持ちでしょうか?
「人の心理を研究するもの」というのはあくまでも前提ですが、その次点となるイメージが色々あると思います。
・心理テストとかがあって、人々の傾向が見えるから、面白い ・頭を使うことばかりで、結構難しそう ・具体的にはよく知らない とまぁ、人によって感じ方は様々だと思います。少なくとも大学へ入る前の私は上記のような考えを持っていました。
ところが、実際に勉強を始めてみると、考えていたものとはずいぶん違いました。まず、「心理テスト」とか色々聞きますが、あれって科学的根拠がほとんどないんですよね。心理テストに近くて有名なものに「血液型診断」というものがありますが、あれに関しては残念ながら根拠は全くありません。つまり、あのイメージはあくまでも「血液型ごとに統計をとった中で、そういった傾向が偶然見られた」だけであり、全体の中での比率としては、どの血液型もほとんど変わりありません。
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人間って、「言われてみると確かにそうかも」ということが多々ありますよね。それは自分のことをよくわかっていないということもありますが、何より自分の中の“そこ”だけをあてはめ、それがさも「自分の性格」だと思ってしまうんですよね。それ故にこの「血液型診断」の信憑性が強固なものになってしまい、「根拠がないじゃないか」と疑わなくなってしまったんです。
もちろん心理学の中ではこれは有名な話ですが、テレビや雑誌で頻繁にとりあげられているうちは、一般の人は誰も疑わないでしょうね。

話を戻しましょう。
それから、「頭を使う」ということですが、これに関してはまぁはずれではありません。ところが、心理学の研究は統計やデータをもとに観察・判断するわけなんですが、ということは統計やデータをとらなければなりませんよね。しかもその量は上記の血液型診断のように一部だけではなく、様々な人たちからとらなければなりません(といっても、大学生の研究などでは、あくまでも学生が対象になってしまうんですが)。ということは、行動し、積極的に物事に取り組まないとダメなんですよ。ものによってはグループ行動なんていうのもあるので、結局、頭を使うのは観察・判断するときぐらいなものです。うちの大学は文系ですが、上記の過程から見ても、心理学は「文系」ではなく「理系」なんです。

どうです?意外でしたか?
こんな話をすると「意外と面白くないな」と思われるかもしれませんが、それが実情なんですよ。いつだって統計やデータをもとにして研究していきます。それがなければなにも「根拠」を語れません。世間のイメージとは結構かけ離れたものなんですよね、心理学って。
まぁ、私は心理テストなんかよりこういう「根拠」を求めるほうが好きなんで、大学に入ってより「心理学について勉強したい!」と思えるようになったんですが。