最近「犯罪心理学」にめちゃめちゃハマってます。犯罪者の精神分析や特徴など、調べれば調べるほど「なるほどねぇ」と感じることばかりで、ワードファイルにまとめまくりです(笑)。ここではこのブログを見てくださっている人に、私達の認識とは違った事実を1つお教えします。

「近頃の少年は、昔に比べてより凶悪化している」 これ、よく言われていますよね。私も含めみなさんのほとんどは、マスコミや巷のおばちゃん達(情報源そこかいな、笑)などから耳にしますかね。
実はね、これ、ほぼ嘘です。嘘というと語弊があるかもしれませんが、言われているほど昔に比べて変化していません。それなのにこうやって言われるようになったのには、もちろんそれなりの理由があります。

私達は普段、マスコミに触れる機会がめちゃめちゃ多いですよね。それは情報化社会の現在ではごく当たり前のことなんですが、このマスコミもとどのつまりは商売です。「利益」を得るため、取り扱う事件や流すニュースなんてものは、昔に比べてもより「ニュース性のあるもの」「珍しい(稀有な)もの」が選ばれるようになりました。それ故に、普遍的に考えられない内容である「極悪事件」が多くなるんです。またそれを流すことで「こんな事件があるなんて、怖い世の中だ」と私達は思い、極悪事件のニュースがほぼ毎日流れていることで、そんな事件がほぼ毎日のように起こっているものだと私達は認識してしまっているんですね。
ここからが「少年の凶悪化」に対する本質なんですが、そういった中でも特に目を引く「少年犯罪」は、マスコミにとって格好の的なんです。それを見たアナウンサーが「最近はこういった事件が多くて…」と言い、評論家も「少年が凶悪化してきている」と言うことで、私達は「あぁ、最近は少年犯罪が多くなっている(つまり、少年が凶悪化している)んだなぁ」と考えてしまっているのです。
「事件が減ってきても、内容が凶悪じゃないのか」と思われる方もおられるでしょう。たしかに、陰険なものやデジタル的なものは昔に比べて多くなってきたかもしれませんね。ですが、昔から凶悪な事件はたくさんありました。10代前半の子供が人を惨殺したりなんてこともあったようです。それを考えると、どうやら凶悪化してると言い切ることは難しいようですね。
これらを踏まえると、逆にこう考えることもできます。「少年による極悪事件」がマスコミで頻繁に取り扱われるのであれば、それだけ少年犯罪が昔に比べて減ってきているのではないでしょうか。実は、全体に対する少年の犯罪比率も昔に比べて減ってきているという統計も出ているんですよ。いかに私達がマスコミに左右されているのか、こうやって聞くとよくわかると思います。
ただ、悲しいことに、少年だけにかかわらず、今も昔も「極悪事件」なんてものはあり続けているんですけどね。

ちなみに、それでも「検挙率」は年々減ってきています。ところが、「殺人」に関してはほぼ100%なんですよね。この話はまた今度――。